カンタベリー大主教へのオープンレター(パレスチ人クリスチャンに関する発言への抗議文)

24. June, 2011 • 0 Comments

2011年6月18日、ベツレヘム

カンタベリー大主教 ローワン・ウィリアムズ師父

大主教殿

カイロス・パレスチナは、中東全般におけるキリスト者、またことにパレスチナ人キリスト者に関して、6月14日にBCCのニュース番組であなたが述べられたことに深い憂慮を覚えております。

あなたは、イスラム教徒の過激派が、パレスチナのキリスト者にとっての最大の脅威であり、移住の第一の原因になっていると発言されました。それは、不正確であり、誤っています。土地の限られているベツレヘムにイスラム教徒が入ってきているためにキリスト者が出て行かざるを得なくなっているというベツレヘムについてのあなたの言明は、とりわけ誤りであり、腹立たしいものです。

同様に愕然とさせられたのは、あなたが、あなたに期待されているように預言者的にではなく、外交的な配慮によって発言し、イスラエルによる占領や、分離壁や、パレスチナ人の土地を奪っていることや、移動や礼拝の自由を侵している政策(例えば、ベツレヘムに住むキリスト者はエルサレムに行くことができません)、非暴力行動に対する残虐な弾圧が、キリスト者だけにではなく、他の多くのパレスチナ人にも、移住を余儀なくさせていているということに言及しなかったことです。

わたしたちは、あなたがマスメディアや右翼政党などとは異なる意見を持っているものと期待していました。彼らは、わたしたちパレスチナ人キリスト者が受けている苦難を、イスラム嫌悪を煽り、イスラムについての否定的なイメージを作り出すのに利用しています。実際、これが、イスラエルが占領政策で執拗に行おうとしていることなのです。イスラエル国家が課す抑圧から生ずる非難をそらすために、イスラムを悪魔化しているのです。あなたの発言は同じ役目を果たしています。

わたしたちはあなたの発言に深い悲しみを覚えています。あなたは聖地の状況について十分な情報を得ているはずだからです。ベツレヘム地区だけでも19もの違法なイスラエルの入植地があること、キリスト者の土地を呑み込み、ベツレヘムの首を絞めている分離壁のこと…。ベツレヘムの土地のわずか13%しかパレスチナ人は利用できません。分離壁はベツレヘムの土地の25%(そこはベツレヘムの農地です)を切り離しています。エルサレムに住むキリスト者については説明するまでもないことでしょう。居住許可を取り消されたエルサレムの聖公会の主教からお聞きになっているはずですから。もっと書き連ねることはできますが、もういいのです。

わたしたちは、もはや、世界の教会指導者たちの支持を期待していません。わたしたちの希望、信仰、愛は、ほかのところから来ます。しかしながら、同時に、あなたや他の指導者、とくに教会の指導者には、わたしたちを、わたしたちの大義を、自分の目的に利用しないで頂きたいのです。7月に「聖地のキリスト者についての国際会議」をランベス宮殿で開催されることをありがたく思いますが、しかし、それは、BBCでのインタビューと同じ精神で結果が出されるならば、聖なる方の土地に住むキリスト者のわたしたちにとって、害を及ぼすものになるだろうとまでは言わないまでも、無駄なものになると思わされています。

あなたは、最近この地を訪れた際、パレスチナ人キリスト者と会うことも話し合うこともありませんでしたので、なぜ突然、わたしたちに代わって発言しようなどと思われたのか不思議に思っています。わたしたちには迷惑です。パレスチナ人キリスト者は、自分たちの置かれている状況についてちゃんと説明することができます。誰か他の人の解釈など必要としていません。わたしたちは、喜んで、直接、教会指導者とお会いして、わたしたちの現実について、そしてそれを変えるために何ができるかについて、話し合いたいと思っています。

最後に、わたしたち、キリスト者であるパレスチナ人は、真実の擁護者をこそ必要としているのだということを思い出して頂きたいと思います。真実、ただ真実だけが、平和と正義に導くのです。

しかるべき敬意をもって

カイロス・パレスチナ リファット・オーデ・カシス

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