中国の教会を訪ねて

28. February, 2007 • 0 Comments

2004年9月に日本キリスト教協議会の訪中代表団の幹事として中国の教会を訪ねる機会がありました。また、2005年11月には中国プロテスタント教会の社会事業を担う愛徳基金会の20周年会議に参加する機会がありました。以下は、その時の感想です。

中国の教会については、ネガティブな印象が先行していました。以前にYMCAの関係で日本に代表団が来たときに話を聞いたことがあり、またジュネーブの世界教会協議会に中国の教会代表団が来たときにも話を聞いたことがありました。そのような場で聞くトップ指導者の話は、まるで政府高官の演説を聞かされているような印象を持たされるものでした。判を押したように誰から聞いても同じ言葉が聞こえてきて、果たしてこの人たちは信仰者なのか、政府から教会をコントロールするために送り込まれた人たちなのかと、疑問に思ってしまったものでした。

しかし、実際に中国の教会を訪ねてみて、自分がいかに狭い視野で見ていたかということに気がつかされました。公式な場での指導者の言葉しか聞いていかなかったにも関わらず、またそうした発言がいかに制約を受けているかということについても知らないわけでもなかったのにもかかわらず、それをもって中国の教会への印象としてしまっていた誤りに気がつかされたのです。

上海郊外のアミティが運営する老人ホームでは、ちょうど祈祷会のために70代、80代の方たちが集まっておられて、文化革命以前の教会の様子を思い浮かべることができました。西安の教会では、夕拝に参加することができましたが、会堂にあふれた人々が捧げる熱心な祈祷に、また求道者の数が多いことに(陪餐を受けないので分かる)、心を動かされました。奏楽者は基礎的な音楽教育を受ける機会がなかった人のようでしたが、聖歌隊や会衆による賛美は、そんなハンディキャップをハンディキャップとは感じさせないような、喜びと祈りにあふれたものでした。

今、中国では、この西安の教会の群れに見られるように、聖職者、奏楽者の養成や会堂建築が全く追いつかないほどに、キリストの福音を聞こうとする人が増えています。公認のプロテスタント教会の信徒だけで1600万人、カトリックや非公認の教会も含めれば7000万人近く。中国が独立した1949年当時は70万人だったと言われますから、いかに爆発的にキリスト教人口が増えているかが分かります。

「CCC/TSPMのスタッフの~割は信徒ではなくて共産党員だ」などといった批判を聞くことがありますが、そんなことを言いながら中国の教会と距離を置くことに何の意味があるのでしょうか。あるいは「地下教会への弾圧」をことさらに取り上げて「中国には信仰の自由がない」と主張して、公認されている教会との関係を持とうとしないことに何の意味があるのでしょうか。

また、CCC/TSPMの指導層の中にも思想の多様性が当たり前に存在することや、地域(省)による違いが大きいことにも気づかされました。同じCCCの幹部であっても、一つの教会の会衆が千人~数千人という規模であることについて、それを誇らしげに語る人もいれば、それに対して苦々しげに教会は本来は数十人から百人程度がよいのだと話してくれる人もいました。上海や南京などでは教会関係者が外国からの訪問者と会うことは当たり前になっていて監視を受けている感じは全くありませんでしたが、西安では宗教局の人に常に付いてまわられました。また北京では、この人は明らかに信仰者としての立場でなく、政府の立場でものを考えているとしか思えない人にも会いました。

この訪問の翌々年、愛徳基金会(アミティ・ファウンデーション)の20周年記念会議に参加する機会がありましたが、その折には四川省におけるアミティや教会の働きを実地に見学することができました。中国では教会学校が認められていないし、教会が学校や幼稚園を運営することは認められていないと聞いていましたが、四川省では、国内移住労働者の家庭のために、教会が幼稚園を運営しています。その名も「福音幼稚園」で、教理を教えるようなことは認められていないとは言っても、聖書の話を読んだり、賛美歌を歌ったりしているのです。教会学校も既に場所によっては認められて行われているようですし、2006年にカンタベリー大主教が訪問した際には政府高官が認める発言をしています。また愛徳基金会は、視角障害者へのコミュニティベースのリハビリテーション、教育活動に力を入れているのですが、政府がやるべきことを単に補完しているのではなく、行政や病院と提携して活動を展開することで具体的な働きを通して政府に様々な課題提起、提案を行い、社会福祉に関する政府の考え方や事業に影響を与えています。これらの例でも分かるように、中国の教会について語るときには、地域によっても相当に「自由」の実態が違うこと、年々と状況が変わっているということも、念頭に置くべきでしょう。

さて、中国で教会が復活して20数年になりますが、この間、愛徳基金会を窓口として欧米の教会とは既に相当に交流、協力関係が積み重ねられています。近年は、教会自らが、すなわちCCCが前面に立って、世界の教会との交流に積極的に乗り出しています。また、欧米の教会の中国への関心の高さも相当なものです。1997年~2001年の間だけでも、中国の教会は世界各国の諸教会から261のグループ、計3301人の訪問を受けており、中国の教会からは代表団、延べ295人を、112の国・教会に派遣しています。ひるがえって、日本と中国の教会との関係、あるいはアジアの諸教会と中国の教会の関係は、あまりにも希薄です(CCCはCCAに加盟していません)。共に主にある兄弟姉妹として歩んでいくことができるように、主の導きを祈らずにはいられません。

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