Sabeel Christmas Message 2016

10. December, 2016 • 0 Comments

サビール・クリスマス・メッセージ 2016

いと高きところには神に栄光が、地には平和があって、人には慈しみが示されますように。

親しき友人たちへ

クリスマスは喜びの時です。日々の生活の悲しみや困難の只中にあって、わたしたちにはクリスマスの心が必要です。クリスマスのよき知らせと明るさが必要です。イエス・キリストの誕生は喜びと希望を与えます。「あなたに生まれます。救いをあたえる者、油注がれし者、主が。」わたしたちが日々の困難を切り抜けていくことができるように、クリスマスはつねにわたしたちを回復させ、新たにしてくれます。

しかし、クリスマスの物語は、また、トラウマと悲劇に満ちたものでもあります。幼子キリストの美しさと無垢さと共に、ヘロデのわがままと残酷さ、権力を持つ人々の冷淡さが語られているのです。

このアドベントにクリスマスの物語を読み、そこから何を学ぶことができるでしょうか。

第一。皇帝アウグストゥスが命じた人口調査のため、人々は出身地に帰って登録を行わなければなりませんでした。いつの世にも皇帝、君主は、人々の生活を混乱させ、破壊するような命令を出すものです。ヨセフとマリアは160km以上の距離を歩いて、ナザレからベツレヘムまで旅をしなければなりませんでした。出産が近かったことを考えれば、これは容易なことではありませんでした。

イスラエル政府の正義に反する法や規制のために、パレスチナ人が重荷を負わされ、大きな犠牲を払わされ、耐えがたい影響を被らなければならなくなってから、すでに長い時が経っています。占領下の人々に不利な法を定める人々は、快適なオフィスにいて、それが貧しい者たち、抑圧されている者たちにどんな影響をもたらすか、気にかけません。パレスチナをめぐる紛争では、シオニズム運動の指導者やイスラエル当局者たちだけが、パレスチナの人々に否定的な影響を与える決定をしてきたのではありません。むしろ西欧のキリスト教徒である指導者たちの方が、バルフォア宣言、サイクス・ピコ協定、1947年分割案等々、はるかに理不尽で非道な決定を行って、パレスチナとそこに住む人々を破壊してきたのです。このような諸外国の人間たちによって行われた意思決定が、パレスチナ人の生活を元に戻せない形でひっくりかえしたのです。

第二。「これを聞いて、ヘロデ王は不安を抱いた」(マタイによる福音書2:3)。溢れるほどに力を持っているように見える王、大統領、首相は、真実と正義のみが武器である謙遜で柔和な人々の非暴力的行動に脅威を覚えます。現場の過酷な現実についての真実、神と人を満足させる変革された新しい現実の求める正義を恐れます。力を持つ者たちは、何であれ自分の権力、利益、考えに対する脅威と見るものによって脅かされるものです。そのために暴力的で残酷な行動に出て、脅威を除こうとして極端に走ることもあります。ヘロデ王がそうでした。彼は、脅威と見えたものを除くために、ベツレヘムの幼子たちを殺しました。1991年、西欧諸国の権力者たちは、彼らとイスラエルにとって脅威と見えたものを除くために、イラクに対する戦争を起こして何百万人もの人々を殺害しました。イスラエルの諜報機関は、多くのパレスチナ人を暗殺しました。脅威に見えたからです。これが帝国のやり方です。これが力を持つ者たちのやり方です。彼らは人間を見ません。家族を、子どもたちを見ません。彼らは、ただ排除すべき障害物を見るのです。

第三。愛である神は、そのように行動されません。帝国が抑圧的な軍事的、経済的な力をふるっているただ中で、神が心にかけられるのは貧しい者たち、抑圧されている者たちのことです。クリスマスのメッセージは、常に、「すべての人へのよき知らせ」です。権力者たちが他者を抑圧し、非人間化する命令を発布する一方で、神は人々の救いと解放のために働かれます。「おそれるな」と天使は言いました。「神が共におられる」と。わたしはあなたたちに、救う者、解放する者を送る。この言葉は、占領下に生きている人々、自由と解放を切望していた人々に向かって語られました。このメッセージは、今苦しんでいる人々に対しても意味を持っています。神は、わたしたちを通して働かれ、真実を証しさせ、占領と抑圧の悪に立ち向かわせます。希望は、「ヘロデ」や「シーザー」の力の中にはありません。「布にくるまれ、飼い葉桶に寝かせられている」赤子の中にあります。軍事的な力の中にはありません。愛と非暴力の力の中にあります。他者を抑圧することや、他者の権利を否定することにはありません。栄光を神に帰し、隣人に正義を為すことにあります。これこそが、この地に生きるすべての人の平和と安全をつくりだすのです。

皆さんが楽しいクリスマスと、幸せな新年をお迎えになりますように。

司祭 ナイム・アティーク
パレスチナ・エキュメニカル解放神学センター 議長

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