教会の鐘について :: 海辺のノート

教会の鐘について

15. May, 2014 • 0 Comments

◆ 教会の鐘の歴史

教会といえば鐘がイメージされるほどに教会の鐘はポピュラーですが、その歴史は想像されるほど明らかではありません。桑山隆執事は『教会の鐘物語』(2010)で次のように書いています。

「ヨーロッパに鐘が移入されたのは西暦400年以降で、最初ケルト人によって造られた鈴(れい)が普及し、その後、鋳造技術の発達でその技術は西アジアからイタリアを経由し再びスコットランド、アイルランドに達し、そこからヨーロッパに導入されたという複雑な広がりである。…また西アジアから黒海沿岸を通り東欧、北欧へと、更にまた北アフリカを経て南欧にまで達したとも言われており、その広がりは複雑である。」

一般に、教会に鐘を導入したのはイタリア・ノラの聖パウリノ主教(354-431)であるといわれます。550年頃には鐘はフランスやイタリアの教会に広まっていたようです。定時の礼拝や聖餐式の始まりを知らせるのに鐘を用いることを公に認可したのは第65代ローマ教皇サビニアヌス(在位604-606)であると考えられています。

750年、ヨーク大主教が司祭たちに定時に鐘を鳴らすよう命じた記録があります。10世紀末には、カンタベリー大主教が、自らの管轄するすべての教会に鐘を設置するように命じています。

鐘と言っても、初期に使われていたのは手で持って鳴らす小さなもので、大きな鐘が造られるようになったのは11~12世紀、その質が高まったのは14世紀、現在使われているような鐘ができて普及したのは15世紀のことです。

中世に鐘の響きは悪霊を祓うなどといった迷信が広まったため、宗教改革期、多くの教会で鐘が取り払われました。しかし、この頃に鐘が車輪に取り付けられるなどの操作をしやすくする工夫が加えられるようになり、それと共に信徒の関心が高まって、多くの教会で再び設置されました。17世紀、英国では、複数の鐘を順序を変えながら規則的に鳴らす独特な鳴鐘法(change ringing)が発達しました。ベルギーやオランダで発達した組み鐘(カリヨン)はメロディを鳴らしますが、英国の鳴鐘法ではメロディは奏でられません。また、この頃から鐘を鳴らすことを趣味とする人々のサークルが作られて、競技も行われるようになりました。

◆ 長坂聖マリヤ教会では

主日礼拝の始まりには鐘が33回鳴らされます(往復打ち)。これはイエスさまの地上での生涯の年数を記念する数です。葬送式の際には、逝去者がこの世で生きた年数を打ち鳴らします。

朝夕の礼拝の始まりには、3回打って少し間を置き、3回打って少し間を置き、また3回打って少し間を置き、最後に9回打ちます(片打ち)。これは「アンジェラスの鐘」或いは「み告げの鐘」と呼ばれ、本来、朝、昼、夕のアンジェラスの祈り(天使祝詞/アヴェ・マリア)を捧げる時に鳴らす鐘です。その場面を描いたミレーの『晩鐘』は有名ですね。

修道院では日に数回、定時に詩篇の朗唱を中心とする祈りの時間(聖務日課)がありますが、一般信徒も日々の生活の中でそれに倣って祈りを捧げる習慣ができました。そこで唱えるのが、アンジェラスの祈りです。『祈りの栞』にローマ・カトリックの現在の版を載せましたので、日本聖公会ナザレ修女会で使われている版を紹介します。○印のところで3連の1点鐘、☆印のところで9連の1点鐘を鳴らします。先唱者が細字、他の人が太字を唱えます。

○ 主のみ使いはマリアにみ告げを宣べ
○ マリアは聖霊によってみ子を宿されました
○ 恵みあふれる聖マリア、主はあなたとともにおられます。主はあなたを選び、祝福し、あなたのみ子イエスも祝福されました。神の御母聖マリア、罪深いわたしたちのために、今も死を迎える時も祈ってください。(*)
○ わたしは主にお仕えする者
○ お言葉通り、この身になりますように
○ (*)を繰り返す
○ ことばは人となって
○ わたしたちのうちに宿られました
○ (*)を繰り返す
☆ 神の御母、私たちのためにお祈りください。
☆ キリストの約束に相応しい者とされますように
☆ 主よ、天使のみ告げによって、☆ み子が人となられたことを、わたしたちに知らせてくださいました。☆ どうか、わたしたちの心に恵みを注ぎ、☆ み子の苦しみと十字架を通して、☆ 復活の喜びに導いてくださいますように。☆ 主イエス・キリストによってお願いいたします。☆アーメン

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