古代の教会における葬儀 :: 海辺のノート

古代の教会における葬儀

12. April, 2014 • 0 Comments

※ 2014年度 長坂聖マリヤ教会 大斎節講話資料

初代教会は多くの殉教者を出しましたが、死は終わりではなく永遠の命への誕生であるという信仰から、殉教者の記念日には墓石を囲んでパンを割く式が行われ、主の内に兄弟姉妹として結ばれた絆は決して断ち切られないという信仰が宣言されました(※棺の形の聖卓はこの名残り)。この殉教者の遺体の埋葬と記念日の過ごし方が後の教会葬儀に影響を与えたと考えられます。

古代教会における葬儀は、復活と希望の基調に満ちて、その様式は5つの部分から構成されていました。

1)死者の家庭における祈祷。屍体が洗い清められ、塗油され、白の麻布で包まれる。そのときに祈りが捧げられる。塗油が、充実、清浄、保存を表し、白色のものをまとうことが復活に生きることを示す。

2)葬送の行列。人々は白衣をつけ、手には棕櫚の葉や花、喜びの松明などを持ち、勝利を表す香をたきながら、希望を表す詩編、勝利のハレルヤを朗誦した。

3)葬送の儀式にあたる聖務は、遺体をおいて行う賛美と感謝の礼拝式で、聖書朗読と詩編歌唱を主な内容とした。

4)聖餐式が原則的に行われた。聖職の場合には葬送の時に、信徒の場合には家から埋葬地に直行するので何日か後、しばしば日曜日に逝去者の記念として行われた。これは生前の交わりに続いて、死の現実の中にあっても、すべて神に結ばれた民が生者も死者もひとつであることを確認し、それを表明する機会であった。平和の接吻を遺体に対して行い、死によっても、主による交わりが破られないしるしとした。

5)埋葬の儀式。平安と希望を基調として、死者が生前受けた恵みの確信にあふれ、死が事実上の隔ての垣根を作ることにはならないという確信を特徴とした。

やがて信徒の遺体も教会に運ばれ、詩編による一連の祈りが終わると、聖堂から墓地へと向かうようになって、これが西方教会に共通のものとなりました。また中世には、煉獄思想が広まり、死者のための罪の赦し、憐れみ、裁き、審判などがモチーフとなって、典礼色は白から黒に変更され、葬儀観もその様式も大きく変わりました。

※ 参考文献
・『キリスト教礼拝辞典』(岸本羊一、北村宗次編, 日本基督教団出版局, 1977)
・『聖公会の礼拝と祈祷書』(森紀旦編, 聖公会出版, 1989)
・『キリスト教 葬儀のこころ』(オリエンス宗教研究所編, オリエンス宗教研究所, 2010)

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