礼拝拾遺(17) -洗礼のイメージ(3) :: 海辺のノート

礼拝拾遺(17) -洗礼のイメージ(3)

12. October, 2013 • 0 Comments

新約時代の洗礼式の実際について知ることができることは多くはありませんが、そのひとつに、洗礼式で使われていたと考えられる賛歌があります。

「眠りについている者、起きよ。死者の中から立ち上がれ。そうすれば、キリストはあなたを照らされる。」

これは『エフェソの信徒への手紙』の「あなたがたは、以前には暗闇でしたが、今は主に結ばれて、光となっています。光の子として歩みなさい」という言葉に続く勧告の中で引用されています(5:6-20)。

ちなみに、この『手紙』は、パウロの弟子によって一世紀に書かれたと考えられている文書で、それ自体が洗礼時に読まれていた説教である、とする説もあります。

洗礼を受けることは、キリストの照らしを受け、主に結ばれて光となること、なのです。これはイエスさまの次のような言葉を典拠とする理解でしょう。

「あなたがたは世の光である。…あなたがたの光を人々の前に輝かしなさい。人々が、あなたがたの立派な行いを見て、あなたがたの天の父をあがめるようになるためである。」(マタイ 5:14,16)

「あなたの中にある光が消えていないか調べなさい。あなたの全身が明るく、少しも暗いところがなければ、ちょうど、ともし火がその輝きであなたを照らすときのように、全身は輝いている。」
(ルカ11:35-36)

初めの数世紀、洗礼はこのようなイメージによって語られたのでした。日本聖公会の祈祷書の洗礼式ではこうしたイメージはシンボルとして用いられていませんが、英国教会では、1662年以来の祈祷書の改訂を目指して作られた1970年代の代替式文で、火を灯したロウソクを受洗者に渡すという、ローマ・カトリックで保たれてきた中世の伝統が回復されました(但し、オプション)。また、信仰告白のところで大きなロウソク(復活のロウソクに限定されていない)に火を灯してもよい、というルブリックが加えられました。

日本聖公会では、現行祈祷書の改定時、受洗者にロウソクを渡すことは、「入信の式に必須の要素ではないので」採用せず、復活のロウソクについては、それを用いている教会では「洗礼の時にはいつでもその年に用いた復活のロウソクを洗礼盤のそばで点火することは、洗礼がキリストの死と復活の命にあずかることの意味を表すものとしてふさわしいことである」としました(『祈祷書解説』1994)。

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