ガザの状況とACTによる支援 :: 海辺のノート

ガザの状況とACTによる支援

21. November, 2006 • 0 Comments

以下に紹介するのは、ACT News Update 2006/8/30の抄訳で、元記事はスウェーデン国教会のアンナ・ジョナソンさんが、中東教会協議会・パレスチナ難民支援部門のコンスタンチン・ダバッグさんに電話インタビューして書いたものです。


ここ数ヶ月、ガザでは、空爆、障害物の設置、経済封鎖などによって、住民が危機的な状況に追い込まれています。すでに社会基盤設備の多くは破壊されており、貧困が劇的に広まり、人道支援の必要は巨大です。

昨日、野菜を買いに行ったら、ポテト2個が0.4ユーロ(60円)もしました。通常は1kgで0.65ユーロなのです。ほとんどの住民は最も基礎的な食糧や生活用品も買えない状態です。路上で小さなモノを売る子どもたちが増えています。少しでも稼いで家族の生計の足しにしようとしているのです。

電気の供給が止まっていることも大きな問題です。イスラエル軍が6月28日にガザの唯一の発電所を爆撃してから、電気は一日6~8時間だけ流れる状態が続いています。夏の日中温度は30~35度になるのです。これは特に病院にとっては問題で、燃料代が非常に高い自家発電機に頼らざるを得ない状況です。1時間、発電機を動かすのに12ユーロかかります。一般の家庭にはそんな余裕はなく、ミルク、肉など、冷やしておく必要がある食糧は買うことができません。冬の間に凍らせてあった食糧は、冷蔵庫がとまって、みんな駄目になってしまいました。

水の供給も滞りがちです。一日、2~3時間しか流れてきません。水質も悪くなっています。そのため、下痢を患う人が増えています。

漁師たちは、6月28日から漁に出ていません。イスラエル海軍によって海が封鎖されたからです。そのため、漁業が大きな損失を被っているだけでなく、ガザ全体の経済も影響を受けています。

魚以外のものは売ってはいますが、買い物に来る客はまばらです。食糧の値段があがり、ガザの住民のわずか30%しか定期的な収入がなく、また欧州共同体などの国際的な支援が止められてしまったためです。

2006年1月に民主的に行われた選挙の結果として3月にハマスが政権を取って以来、諸外国の政府がパレスチナ自治政府への支援を中止したため、ガザだけでも7万5千人の公務員が2月以来給与を受け取っていません。国際支援の再開が経済の回復の鍵です。

○ 生計支援:ACTの救援募金の呼びかけ(MEPL61)によって、中東教会協議会パレスチナ難民支援部門は、困窮している50家族に40ユーロの支援金を渡しました。当初、2千5百家族を支援する予定でしたが、あまりにも人道的な危機の状態にある家族が多いので、計画を見直し、6000 ~7000家族を支援できるようにしたいと考えています。現金を渡すという方法を取っているのは、イスラエル政府が設ける多くの検問所を通って支援物資を運び入れることが困難だからです。また現金で渡すことで、被支援者は、必要なときに、その時に入手可能な食糧を買うことができます。これはガザに入っている他の人道支援団体でも一般的になっています。

○ 無料診療:この募金で、ガザの診療所での無料診療も提供しています。EUなどの支援が止められたことで自治政府からの資金で運営されている病院が医薬品不足に陥っているため、民間組織の診療所に多くの患者が来るようになっています。通常は、医者にかかるには1.5ユーロの診察料を払わなければなりません。我々は、今、診察料を無料にしています。今の状況では払える人がいないからです。

○ 職業訓練:現在の危機的状況では、職業訓練プログラムの参加者が費用を払うこともできません。募金は、それを補うことにも用いられています。ガザの人口の80%、50万人は30歳以下なので、この危機下でも教育と医療に優先的に資金をまわす必要があると考えています。

以下は補足です。

7月だけでも163人のパレスチナ人の一般市民がイスラエルの爆撃によって殺害されました。その内、38人は子どもでした。6月25日にイスラエル軍が兵士が誘拐された報復として攻撃を始めて以来、10月末までにガザでは300人以上が亡くなりました。子どもの死者は、今年だけで100人を超えています。11月1日からはイスラエル軍はガザ北部に侵攻し、今月だけで80人以上のパレスチナの民間人犠牲者が出ています。

11月8日には「誤爆」によって20人が殺害されました。犠牲者は就寝中で、多くは子どもや女性でした。これに対する非難決議案が11日に国連安全保障理事会にかけられましたが、いつものように常任理事国の米国の拒否権行使で否決されました(日本は棄権)。国連人権理事会は15日に特別会合を開いて非難決議を採択し(日本は棄権)、国連総会でも17日に「深く憂慮する」決議が採択されましたが(日本は賛成)、米国、ヨーロッパ諸国、そして日本の態度はあまりにもイスラエルの不法な軍事行動に対して寛大で、事態の改善が望めない状況です。

危機の深刻さに比してメディアでの扱いもあまりに小さく、パレスチナの人々は世界から見捨てられた絶望感を味わっています。一日も早く、正義と平和が回復されますようご加祷ください。また、以下に紹介するアムネスティのアピール文などを参考に、イスラエル政府や日本政府に声をお届け下さい。

※ 参考
- パレスチナ子どものキャンペーン:声明「ガザの犠牲をこれ以上増やさないため、国際社会は介入を」

http://www32.ocn.ne.jp/~ccp/others/0611gaza-appeal.html

- アムネスティ:イスラエル軍のガザ地区侵攻に対する緊急アクション

http://www.amnesty.or.jp/modules/wfsection/article.php?articleid=464

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